■消えた“ブーム”
大衆消費社会では時折、“ブーム”と呼ばれる圧倒的多数の消費者を巻き込む流行現象が
起こる。かつて1990年代には携帯電話が爆発的に売れ、女子高生ブームに浮かれ、「Windows
95」や「たまごっち」のために人々は行列をつくった。さらにバブル華やかなりし1980年代
までさかのぼれば、DCブランド(デザイナーズブランド、キャラクターズブランド)やイタメシから
株式投資に至るまで、あらゆる分野で絶え間なくブームが巻き起こっていた。
ところが最近は、次のブームがなかなかやってこない。最近のトレンドとして、
エコカーやファストファッションもブームと呼べないことはないが、小粒感は否めない。
例えて言うならば1980年代の消費の鍋は、何かあればすぐ沸騰するほど熱かった。
これに対して近年の消費の鍋は冷え切ってしまい、めったなことでは湯気さえも立たない。
かつての消費ブームの先頭に立っていたのは、言うまでもなく30歳以下の若者世代だった。
しかし現在の消費市場では、若者の存在感が年々希薄になっている。
そして若者をターゲットとするビジネスは軒並み低調である。
今若者たちは消費市場の華やかなステージから、別に後ろ髪を引かれる風でもなく、
静かにフェードアウトしようとしている。そして今まで常に消費市場の中心にあった若者市場も、
風にあおられた砂上の楼閣のように雲散霧消しようとしているのだ。
われわれビジネストレンド研究所では、若者市場はただ単に冷えているのではなく、
消滅しつつあるという仮説を持っている。その主たる理由は次の3点、若者人口の激減、
若者の購買力減退、若者の老成化である。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20101101/216899/
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